2-2. コマンドライン操作とCloud9の基本
私たちはPCを立ち上げて、さまざまな作業をします。その一例として、どこかのフォルダに保存しているExcel文書を編集する作業を取り上げます。
- フォルダをダブルクリック
- Excelファイルをダブルクリック
- 内容を編集
- 保存終了
ウィンドウやフォルダ、アイコンといった便利なものがあるから上記の作業が成り立ちます。いや、むしろ上記の作業は当たり前すぎて、便利だという意識すらないですね。
もしこれらの作業が全部キー入力だとすればどうなるでしょうか?Excelではありませんが、ただの文書ファイル(テキストファイル)の編集を、本講座で通して出てくるコマンド編集で置き換えるとこうなります。
- cd folder_name
- vi text.txt
- 内容を編集(もちろんコマンド操作)
- :wq!
上記全てキーボードからの手入力です。雰囲気が全然ちがいますね。
本章では、コマンド操作とは何かということから始まり、次に簡単なコマンド操作を学習します。
最初は難しいと感じますが、大丈夫です!本講座の基本編を終える頃には、映画に出てくるハッカーのように、流れるようなコマンド操作ができるようになっていますよ。
Contents
コマンド操作とは何か
先ほどから出てきている「コマンド操作とは何か」に始まり、簡単にディレクトリの階層構造とは何かを触れておきましょう。
コマンド操作とウィンドウ操作
コマンド操作とは何かを解説する前に、そもそもみなさんのPCに元から備わっている機能を使ってコマンドライン操作を試してみましょう。
< Mac >
画面上部右側に、Spotlightの虫眼鏡アイコンがあります。

これをクリックすると、Spotlightの検索窓が開くので、terminalと入力してください。すると「terminal.app – ターミナル」と表示されます。

Enterキーを押すとターミナルというアプリが開きます。これがコマンド操作をするためのアプリです。

ここで、以下を入力してみてください(ターミナルの%の後ろから入力してください)。
mkdir Desktop/test
cd Desktop/test
touch test.txt
1行入力して、Enterキーを押して、次の行も同じ。これを3行全て実施してください。
特にエラーが出ずに終了したら、デスクトップを確認しましょう。デスクトップ上にtestというフォルダができて、さらにその中にtest.txtというファイルがあるはずです!
通常であればデスクトップ上で右クリックで「新規フォルダ」を選択して・・・と作業をしますが、それらが必要なく、コマンド入力だけで実行できたのは実感できたでしょうか?
フォルダとファイルの作成をコマンド操作だけで行いましたが、もちろん削除や中身の編集もコマンド操作で可能です。
試し終えたら、ターミナルはバツ印で閉じて、作成したフォルダやファイルは削除しておいてください。
< Windows >
スタートボタンをクリックして、cmdと入力してEnterしてください。コマンドプロンプトというアプリが開きます。

ここで、以下のコマンドを実行してください。
cd Documents
mkdir test
cd test
type nul > test.txt
すると、ドキュメントフォルダにtestというフォルダができていて、その中にtest.txtというファイルができているはずです。Windowsでもコマンド操作ができる、ということがお分かりいただけたでしょうか?
試し終えた後は、コマンドプロンプトをバツ印で閉じて、作成したフォルダとファイルは削除しておいてください。
再び、コマンド操作とは何か
コマンド操作の雰囲気が伝わったでしょうか?
ここでもう一度、コマンド操作とは何かという最初の疑問に戻ってみましょう。コマンド操作とはコマンド、つまり文字を手で打ってコンピュータを操作することです。
コマンド操作でフォルダまたはディレクトリを作るには「mkdir + (フォルダ名)」と打ってEnterします。意味的にはMacでいうところの「ウィンドウの白いところで右クリック」→「新規フォルダ」を選択して、できたフォルダに名称を入力するのと同じです。
コマンド操作を「CUI(キャラクター・ユーザ・インターフェース」、ウィンドウ操作を「GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)」というのもうなずけますね。
Cloud9でコマンド操作に慣れる
同じことをCloud9でもやってみましょう。
前章で学習したあとすぐに本章を読んでいるのなら、Cloud9の画面が開いたままのはずです。もし閉じてしまったなら、前章の手順に基づいてCloud9のIDEを開くところまで進めてください。
改めて、もう一度Cloud9の画面を見てみましょう。点線部分が今まで学習してきたように、コマンドを入力する場所です。

デフォルトではこのターミナルの部分は高さが低いので、少し見づらいかもしれません。ターミナルは高さが可変なので、みやすい高さまで調整してください。
太い上向矢印のあたり、つまり「ec2-user: 〜/environment $ 」のドルマークの後ろでカーソルが点灯しているはずです。ここでコマンドを打って操作できます。
試しに、先ほどと同様の方法で、以下のコマンドを入力してみてください。
mkdir test
cd test
touch test.txt
打ち終わったら、左側のツリー表示を見てください。

実行した内容に基づき、testというディレクトリとその中にtest.txtというファイルができていることが分かります。ここでもやはり、WindowsやMacと同様にコマンド操作ができます。
今後学習を進める中で、Cloud9のターミナルを使って操作していく機会が多数あります。今のところは大して複雑な操作はしていません。コマンドの種類は今後覚えていけばよいので、感覚だけつかんでもらえれば大丈夫です。
Cloud9の操作
今後学習を進めていく上で、上記で解説したもの以外で知っておきたい操作を解説します。
ターミナルを閉じてしまったら
Cloud9を操作していて、ターミナルを誤って閉じてしまうことがあります。

このような時は、Cloud9のメニューバーの[Window] – [New Terminal]をクリックしてください。すると再度ターミナル画面が開きます。
ただし開いたばかりの状態では、全画面に広がっているかもしれません。そんなときは、[Window] – [Tabs] – [Split Pane in Two Rows」を選択してください。今まで見てきたように、下の部分にターミナルが収まります。
フォルダー・ファイルの新規作成
フォルダーやファイルの新規作成の方法を解説します。
とても簡単です。作りたい場所で右クリックしてください。出てきたメニューの一番下2つに[New File]と[New Folder」があります。

その名の通り、New Fileがファイルの新規作成、New Folderがフォルダーの新規作成です。